教育×ゲームという可能性

 

みなさんこんばんは。ここ最近僕は大体家にいて生徒の課題を添削したり、法律の勉強をしたりしています。

大体それらの区切りや煮詰まってきたりするとネットサーフィンをするのがお決まりなのですが、僕の先輩の過去記事が回ってきました。(というよりもBOT機能なんですけど。)
それがこの記事です。

https://ken-horimoto.com/20161229162917

先輩は頭がよく、ユニークな記事をたくさん書いていますがこの記事は僕の中でイチオシのきじともいえます。(昔僕もものすごく「不思議のダンジョン」にはまっていた。)
簡単に内容をまとめると、「不思議のダンジョン」で起こる理不尽性は社会の持つ理不尽さに通じるところがあって学ぶことが多いよね、って文章なのですが今回大事なのはそこではなくて、そのブログの締めくくりです。

 

「教育×IT」とか「教育×ゲーミフィケーション」とかが注目されて久しいですが、「教育×不思議なダンジョン」という新しいジャンルを開拓できると感じています。

僕がやりたい教育のジャンルがまた一つ増えたぞ!


先輩はこのように教育×ゲームに可能性を感じています。
今日はこの教育×ゲームについて話をしていきます。

 

貿易ゲームというゲーム


ところで突然話は変わりますが、みなさんは「中学三年の時にもらった学校のプリント」ってどれぐらい持っていますか?
僕は現在大学三年なので5.6年前ということになります。
5.6年前にもらった紙、しかも学校のプリントとなれば多くの人が処分してしまっているのではないでしょうか。
僕もその例外ではありません。しかし、大切にとっておいてあるプリントが一枚だけあります。
それが今日話題にしたい「貿易ゲーム プレイングシート」です。
みなさんは貿易ゲームを知っていますか?
おそらく多くの人が知らないでしょうから説明していきます。

僕は当時のクラス(40人ほど)でやったのですが、

・まずこの40人をA国~F国の6チーム(大体1チーム6人くらい)に分けます。この6人1チームで協力しあいながらプレイしていきます。
・そして、ディーラー(僕の時は二人の先生でした)が各国にはさみや三角定規、A4紙といった道具を配ります。
・ゲームはこれらの道具を使って黒板(まあうちは白板でしたが。)に示された大きさの紙(たとえば4cm×4cmの正方形、8cm×12cmの長方形)を作ってディーラーのところへ持っていき換金します。
・一定時間経過後に最も多くの資金を持っていた国の勝利です。

...

おいおいほんとに中3がやるゲームかよ、と思うくらい凝っています。

大体こんな感じですが特筆すべきはこのゲームの設定の細かさと自由度にあります。
まず設定の細かさです。実はA~F国は先進国や途上国、産油国といったように設定がされているのです。(これはゲーム開始時には知らされない。)
勘の良い方は気づいたも知れませんが、たとえば途上国の封筒には紙ばかり入っていてはさみが入っていないだとか、先進国は逆にはさみが入っていて紙が入っていないとか、ゲーム開始時にステータスに差があるため、国間で駆け引きが生まれます。

僕がやった時は、

『紙5枚あげるからはさみくれよ!』

『えー、うちの国も1個しかはさみないからあげるのはムリ!5分だけ貸してあげる!』

みたいなことが起きていました。

さらに自由度ですが基本的に何でもアリです。(配られた定規以外の自分の持っている定規を使う、はさみを使わずに手できるなどの明らかな不正はディーラーが監視したりしてはじきます。)したがって交渉力がものを言います。

書いてて思ったけど中三がやるゲームじゃねぇW

さてさてこんな感じでゲームが始まるのですがここからも貿易ゲームはすごいンです。

たとえば、みんなが(もしくはどこかの国同士がくんで)正方形を多く量産すると突然ディーラーが、「正方形はいまから半額での取引になる」と言います。そう、市場価格の変動が起きるんです。

他にも、ゲームの最中にある国に付箋が配られたかと思えば、「付箋のついた正方形などは、価格を3倍で買い取る」「C国が最新技術(ディーラーからの先行情報提供)により半径6cm中心核120°の円を開発可能に」などめまぐるしく状況が移り変わります。
それにあわせて「カルテルを形成」したりして生徒たちは状況に対応します。

行動から振り返り、学ぶゲーム

さて、ここまでではただ単に「世界経済が学べるゲーム」に過ぎません。
貿易ゲームは終了後にその本性を見せます。

まず後片付けです。A4用紙から円や扇形を切り出せば必ず紙屑が出ます。先生は生徒たちが捨てる前にこれは現実ではなんだ?と問うのです。
また、なぜ国によって差があるんだろうと問います。

生徒たちはじわりじわりとそれが産業廃棄物であると直感します。そして先進国や途上国によってその差があることも。

激烈すぎる!!!

他にも、先ほどのカルテルの解説、労働力の国際間移動など、生徒たちの行動を解説、現実に当てはめる(OECDや外国人出稼ぎ問題など)ことによって生徒たちに気づきを与えた。

さらに「なぜ六角形など決められていないものは売れないのか」という疑問から、世界基準の存在を示し、「グローバル化」についても解説してのける。

こんな学びのある面白いゲームは他にないと思います。

 

教育×ゲームという可能性


実は僕はこのゲームを少し改造して小学6年生向けにやったことがありますがとても好評でした。
また、当時学力的に最底辺だった僕がこれだけ記憶に残しているのだからよっぽど面白かったのではないでしょうか。

教育×ゲームの良さはここにあるのだと僕は思います。

行動や現象に夢中になって体や脳を動かす。
貿易ゲームは五感をフルに活用しなければ勝てません。

そしてそれが現実ではどのような役割であったかを種明かしされる。
「そうか、よく聞くあれってさっき俺がやってたことと同じなのか」

これは僕の持論ですが能動的に動いて学び取ったものは定着します。
普段受動的に聞いている授業は全く身になっていないように思えます。

また、教育という形が変わりつつある中で僕はこのようなクリエイティブな学びの形が正解のような気がしてなりません。

もし教育者の方で気になる方がいればお気軽にお問い合わせください。詳しいタイムフローや資源の内訳などのデータを差し上げます。